消滅時効の援用をする事案では、長期の滞納が生じているため、信用情報機関に事故情報(ブラックリスト)が登録されているのが通常です。
そして、消滅時効の援用をすれば、貸金業者が加盟している信用情報機関のデータベースに時効援用の情報を登録します。
ただし、事故情報の抹消に関する取り扱いは、信用情報機関によって異なります。
以下では、信用情報機関ごとの取り扱いをご説明させていただきます。
①JICC
JICCに時効援用の情報が登録されれば、「延滞」の事故情報はすぐに抹消されます。
そのため、他の事故情報がなければ、すぐに新たな借入やクレジットカードの利用ができるようになります。
ただし、消滅時効の援用から事故情報の抹消までは、手続上の問題で1か月程度かかります。
②CIC
CICに時効援用の情報が登録されれば、基本的には「完了」という情報が登録され、5年間この情報が残ります。
この間、新たな借入やクレジットカードの利用ができるかどうかは、各貸金業者や各カード会社の審査によります。
例外的にすぐに事故情報が抹消されることもありますが、多くの場合には5年間情報が残ります。
③全国銀行個人信用情報センター
銀行のカードローンを長期間滞納すれば、保証会社が代位弁済を行います。
そして、全国銀行個人信用情報センターに「代位弁済」という事故情報が登録されます。
「代位弁済」の事故情報は、消滅時効の援用の有無にかかわらず、代位弁済から5年間残りますが、5年が経過すれば抹消されます。
消滅時効を援用した時点で、事故情報がすでに抹消されていることも多いでしょう。