会社を経営されており、事業の失敗などで資金繰りが厳しくなり、会社破産と個人破産をあわせてされるという方も増えております。
企業の「破産」とは、様々な理由から、これ以上会社を継続的に経営していくことが難しいという倒産状態にある企業を法律に従って処理する手続のことです。
破産手続は裁判所に申し立て、裁判所によって破産管財人が選任され、会社の財産を債権者に公平に配当する手続です。
企業破産のメリット・デメリット
メリット
●債務が免除され、返済や取立てにあわなくなる。
⇒弁護士に依頼をした場合、必要に応じて債権者に対して支払停止の通知を発送します。その後のやりとりや交渉は全て弁護士が対応しますので、直接依頼者に対する取立てはなくなります。
●負債が消滅するため、資金繰りに悩む必要がなくなります。
⇒破産手続きが完了したら、会社は清算され、法人格そのものが消滅します。そのため負債がなくなりますので、資金繰りで悩む必要がなく、再スタートの準備に時間をかけることができます。
デメリット
●会社を再建することはできません。
⇒中小企業は、経営者が会社の債務保証をしているケースが多く、その場合は会社の破産手続と同時に、経営者の個人破産をすることになります。経営者自身が破産をすると、金融機関からの借入が不可能になりますので会社を築くことは難しくなります。社会的信用の損失もありますので、どうしても、会社を再建させたい場合は民事再生などの手法を選びましょう。
●従業員を解雇しなければなりません。
⇒破産の場合、会社そのものが消滅しますので、勤めている従業員を全員解雇する必要があります。それに伴って、会社がこれまで培ってきたノウハウも失います。また、従業員の今後を考えた解雇の手続を取ることで、次の就職時に保険や年金等で困らせないようにすることが求められます。
企業破産の流れ
①弁護士から業者(債権者)に受任通知書を発送
弁護士が必要に応じて債権者に受任通知を送ることで、これまでの取立ては依頼者に来ることはなく、直接弁護士が交渉することになります。
ただし、破産の申立前に経営破綻の事実が周知されると、手続に混乱を来すことも考えられるため、受任通知を送付しないままに申立準備を進めるケースも多いです。
②破産申立て
破産の申立てをすることにより、破産手続が開始します。
申立先は会社の所在地を管轄する地方裁判所となります。
③破産手続開始の決定・破産管財人の選任
裁判所により破産手続の開始が決定されると、株式会社は解散し、同時に破産管財人が選任されます。
破産管財人も弁護士ですが、申立側弁護士とは違い、中立の立場から破産事務を取り扱います。
④破産債権の届出・調査・確定、破産財産の管理
債権者は、破産管財人により定められた期間のうちに、破産債権の届出をする必要があります。
届出られた破産債権は、破産管財人の債権調査を経たうえで確定されます。
破産債権の確定手続と並行して、破産財団(破産会社の財産:管財人が管理する)の調査・管理が行われます。
破産管財人は破産者の財産を正確に把握しなくてはなりません。
そして、破産管財人は財産を可能な限り現金化し、配当の準備を進めます。
⑤配当
破産管財人は、破産財団の換価(売却等による現金化)が終了した後、届出をした破産債権者に対して配当を行います。
ただし、配当原資となる十分な現金が集められなかった場合には、配当は行われません。
⑥破産手続き終結の決定
配当が終了した後、債権者の異議申立期間が終了したときには破産手続終結が決定されます。
この決定により、会社は消滅することになります。
当事務所の企業破産に強い弁護士の対応料金
●初回相談料:無料
●個人事業主の自己破産の依頼:44万円~88万円(税込)
※明渡し未了の営業所などが複数ある場合、解雇未了の従業員が10名を超える場合、債権者数が30名を超える場合など、特別な事情がある場合には88万円~176万円(税込)とさせていただくことがあります。
●企業・法人の自己破産の依頼:55万円~165万円(税込)
※明渡し未了の営業所などが複数ある場合、解雇未了の従業員が10名を超える場合、債権者数が30名を超える場合など、特別な事情がある場合には165万円~330万円(税込)とさせていただくことがあります。
自己破産についてはこちらもご覧下さい
自己破産
●同時廃止事件と管財事件
●免責不許可事由
●自己破産をしても手元に残せる財産
●自由財産の拡張
●企業破産について