同時廃止事件と管財事件とは
個人の自己破産の手続には、同時廃止事件と管財事件の2種類があります。
同時廃止事件と管財事件の振り分けは、裁判所が決定します。
管財事件は、高価な財産を保有している場合、企業の代表者・個人事業主である場合、免責不許可事由(※)がある場合などに、選択されます。
管財事件とならなかった事案は、同時廃止事件となります。
※ギャンブルや浪費などのように免責(借金の免除)が認められなくなる可能性のある一定の事情。
同時廃止事件の手続
同時廃止事件では、裁判所に自己破産の申立てをしたあと、破産審尋、破産手続開始決定、免責審尋、免責許可決定の流れで手続が進みます。
破産審尋とは、裁判官との面接であり、借金をすることとなった経緯、返済が不可能となった理由などを質問されます。
破産審尋が終わると、裁判所から破産手続開始決定が出され、約3か月後に免責審尋の期日が指定されるのが通常です。
免責審尋とは、裁判官との面接であり、免責不許可事由の有無などを質問されます。
免責審尋が終わると、裁判所から免責許可決定(借金の免除を許可する決定)が出されます。
なお、破産審尋、免責審尋は、裁判所の判断で省略されることがあります。
破産審尋は、過去に自己破産の経歴がなく、免責不許可事由も見当たらないという場合には、省略されることが多いです。
破産審尋は、裁判所の会議室などに複数の破産者が出頭し、裁判官の話(今後の生活に関する注意点など)を聞く集団面接の形で行われることが多いです。
管財事件の手続
管財事件では、裁判所が破産手続開始決定の際に、破産管財人を選任します。
そして、破産管財人は、自己破産に至る経緯、免責不許可事由の調査、財産の処分、債権者への配当などの手続を行います。
その上で、免責審尋、免責許可決定という流れで手続が進行します。
管財事件では、自己破産の申立ての際に、破産管財人の報酬予定額(予納金)を裁判所に納付する必要があります(20万円~)。
そのため、管財事件となることが想定されるケースでは、予納金を用意することも課題の一つとなります。
また、管財事件では、同時廃止事件と比較して、手続が終結するまでの期間が長くなることが多いです。
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