任意整理とは、債権者（金融機関・貸金業者など）と交渉し、利息のカット、月々の返済額の減額などを求める手続です。
任意整理をすれば、返済条件が軽減され、おおむね３～５年で分割返済していくこととなるのが通常です。
任意整理は、裁判所を利用せずに行う交渉手続です。
任意整理には、次のようなメリット・デメリットがあります。
【メリット】
□弁護士に依頼すれば、弁護士が債権者に対して受任通知（弁護士が介入したことを通知する書面）を送付するため、その時点で債権者からの取り立てが止まります。
□任意整理をすれば、借金の返済総額・月々の返済額を軽減することができます。
□利息制限法を超えて払いすぎていたお金（過払い金）があれば、取り戻せる可能性があります。
□任意整理では、一部の借金のみを整理し、他の借金はそのまま返済を継続するという取り扱いも可能です（例えば、自動車ローンは任意整理の対象とせずに、マイカーを手元に残すことなどが可能です。これに対し、自己破産や個人再生では、すべての借金を対象として整理をしなければなりません）。
□任意整理は、債権者との話し合いで進める手続であるため、自己破産・民事再生（個人再生）のように裁判所を通す必要がなく、解決までの期間が短いです。
□任意整理では、自己破産のように財産を売却・処分されてしまうことはありません。
□任意整理では、自己破産における職業制限のような制度がありません（自己破産では、宅地建物取引士、生命保険募集人、旅行業務取扱管理者、警備員などの一定の職種について、手続期間中の職業制限の制度があります）。
□任意整理では、自己破産における免責不許可事由のような制度がなく、浪費・ギャンブルなどで借金をした場合でも問題となりません。
【デメリット】
□任意整理をすれば、信用情報機関（ブラックリスト）に登録されるため、完済から数年間はローンやクレジットカードの利用ができなくなります。
借金・債務整理の方法には、主に自己破産、民事再生（個人再生）、任意整理の３つがありますが、どの手続を選択するかは、借金の総額、家計の収支、財産の状況などを考慮して判断することとなります。
借金問題についてお困りの方は、専門家である弁護士にまずはご相談いただくのがよいでしょう。
